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PCM-501ES (Sony) 1984 [オーディオ機器]

PCM-501ES (Sony) 1984年 標準価格 99,800円

当時の音楽フォーマットは今のようにCDやMD、MP3などデジタルフォーマットはなく、まだDATも発売されていなくて音楽ソースはもっぱらカセットによるアナログ録音が中心であった時代にPCMは唯一デジタル録音できたフォーマット。
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PCMとはアナログ音声をパルス信号に変換することにより信号がアナログ-デジタル変更される仕組み。それまではレコードなどをカセットに録音されるアナログ-アナログしか存在しなかったがこの仕組みによりデジタル録音ができるようになった。
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録音は現在のように光りメディア(CD,MD,DVD,Blue-ray)ではなくビデオデッキ(VHS,β)を使ってビデオテープに記録していました。
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本機の特徴ならびにスペックです。
プロ用機器と同じ16ビットフォーマットで、ビデオの長時間モードでのデジタル録音・再生を可能にしたPCMプロセッサー。
デジタルレコーディングシステムでは、アナログ信号をプロセッサーで0と1だけで構成される2真数のデジタル符号に変換(量子化)してテープに記録をしています。
また、PCM-501ESでは従来の14ビットEIAJフォーマットに加え、コンパクトディスクやプロ用機器にも採用されているのと同じ16ビットフォーマットも搭載しており、ダイナミックレンジや歪率を改善してます。
また、16ビットで録音したテープは、他の14ビットシステムでも14ビットと同等の性能で再生します。
ピークホールドとリアルタイムレベルを同時表示するダブルインジケーション方式により、-50dB~0dB(基準レベル-15dB)のワイドレンジをカバーしたピークプログラムメーターを搭載しています。
また、入力信号のオーバーレベルや録音ボリュームの上げすぎを警告し、レベル設定を容易にするOVER表示機能も搭載しています。
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型式 PCMデジタルオーディオ・プロセッサー
標本化周波数 44.1kHz
量子化ビット数 16ビット/14ビット直線量子化
周波数特性 5Hz~20kHz ±0.5dB
高調波歪率 16ビット:0.005%以下
14ビット:0.007%以下
ダイナミックレンジ 16ビット:90dB以上
14ビット:86dB以上
セパレーション 80dB以上
ワウ・フラッター 測定限界以下
使用ビデオ範囲 ベータマックス VHS
入力端子 ライン:ピンジャック×2
ビデオ:ピンジャック
出力端子 ライン:ピンジャック×2
ビデオ:ピンジャック
コピー:ピンジャック
モニター:ピンジャック
ヘッドホン:ステレオ標準ジャック
定格電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 27W
外形寸法 幅430×高さ80×奥行350mm
重量 6.0kg
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私は主にβ機で録音していました。当時は長時間デジタル録音できるので主にFMラジオからエアチェックやレコードから好きな曲だけ録音するなどにつかっていました。HF-705という機種を使っていましたが現在は実家にあるので今回はEDV-5000で動かしてみました。
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アナログソースがレコードしかないのでCDを録音してみました。
仕様上DATなどと比べると見劣りしますが、ビデオテープのせいかカセットデッキよりレンジが広く、いい音しますし、ある意味、アナログ的な音質で今でも十分い通用する気がします。
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コメント 11

椙の子

こんにちは。。
PCM-501ESは私も所有しています。
現在、PCM収録したテープをCDにコピー保管使用かと思っています。
時代も変わり、最適な保管はどんな媒体がいいのか迷っています。
何か、ご存知であればご教授をお願いします。
by 椙の子 (2012-04-07 18:00) 

Lancelot

椙の子様

こんにちは、お世話になります。
私もPCM録音したβテープがたくさんあります。
一時はキャプチャしてCDにしていましたがディスクが増えてしまい、管理が煩雑になり、またある時作成したCDは再生することがあるのか考えさせられました。
しかし、このままの状態でもテープはいずれ酸化が進むので現在はキャプチャした後、劣化がなく一応当面は陳腐しそうもない?フォーマット(WAV)でファイル保存してitunes上でフォルダ管理しています。
アナログキャプチャはネット調べればたくさん存在します。私はVGX-XL70S(VAIO)に直接ピンプラグを差し込んでキャプチャしています。(またご紹介します。)
PCMもそうですしDATやMDなど今では枯れてしまったフォーマットをどうやって維持するかが重要でまた増えすぎた情報(ファイル)を効率良く管理する方法が今後の課題だと思います。是非いい方法がありましたら教えて下さい。
by Lancelot (2012-04-08 09:36) 

椙の子

回答ありがとうございます。
アナログキャプチャですか参考にさせていただきます。
リアパネルに将来使えるデジタル系の不思議な端子がありましたが
やはり実現されなかったようですね。
.WAVでも一度確認してみます。
ありがとうございました。。
by 椙の子 (2012-04-17 19:09) 

hiro

Lancelot 様
椙の子 様

こんにちは。
私もPCM-501ESを所有しております。
私はPCM-501ESを改造してSP-DIFを追加し、
ディジタルのままキャプチャいたしました。
詳細は上記、URLに記載してありますので
参考にしていただければ幸いです。
by hiro (2013-07-07 18:48) 

Lancelot

hiro様

拝見させてもらいました。
すばらしいですね。私もトライしたいのですが技術が.....
一時期デジタル出力できるPCM-553ESを探しましたが
かなり高価で諦めました。
ちなみなに私も1960年代です。
今後もよろしくお願いします。
by Lancelot (2013-07-11 12:02) 

yappy_n

こんにちは。懐かしい装置のご愛用ありがとうございます。安田信行と申します。写真を見て懐かしく昔のことを思い出します。

私はSonyのPCM録音プロセッサーのほぼ全てを独自フォーマットの時から開発設計していました。当然社内外の多くの方々に多大なご協力を頂きました。心から感謝しています。伊賀さん、横田さん、小高さん、ありがとうございます。

★PCM-1 : 非圧縮14bit直線フォーマット(録音A/Dは12bit折れ線拡張型、D/Aは14bit)世界初の家庭用デジタル録音プロセッサー: 1977年発売 定価45万円だったかな?
・LSIや低価格で高性能なA/D、D/Aが無い時代でまさしく茨の道でした。
でも、オーディオフェア等やベルリンショーやCESで圧倒的なリアリティーに皆仰天しました。
当時、トランジスタ技術誌に解説記事を執筆しました。
★PCM-F1 : EIAJ(日本電子機械工業会)規格非圧縮16bit直線フォーマット(A/D、D/A共にソニー開発の直線16bit 高速二段カウンター型)世界初の家庭用充電電池動作ポータブルデジタル録音プロセッサー(家庭用充電電池動作ポータブルβ・VTR:SL-F1と組み合わせて使用{他のVTRもOK}) 1980年発売 定価25万円位だったかな?
東芝さん、三洋さん、と費用分担して専用のLSIを3個開発して何とか小型化と低価格化?を実現しました。大変でした。
東芝さんには再生系の回路設計までお願いしました。東芝の技術者小島さんは極めて優秀でした。感謝。 横田さんもありがとうございます。
A/D、D/A開発も大変でした。伊賀さん、武田さんありがとうございます。
★PCM-501ES : PCM-F1をAC電源専用化と周辺回路の統合IC化によりコストダウンして半額以下に低価格化した機種 1984年 発売 標準価格 99,800円
★PCM-553ESD : PCM-501ESにSPDIFデジタルインターフェース(現在のPCでも使用)を搭載したもの。  1985年 発売かな?
後年、SPDIFデジタルインターフェースのIEC-60958世界規格化やDVD-用5.1ch規格化も進めることになりました。
・PCM-501ES の統合IC化等、結婚したての頃で色々大変でした。
・30年連れ添った家内を一ヶ月前に亡くしました。臨床心理師になったばかりなのに、私よりも10歳も若いのに、ただただ悲しい・・・
でも、この写真を見て元気を貰いました。ありがとうございます。
by yappy_n (2014-02-02 22:06) 

yappy_n

トランジスタ技術誌(誤)はラジオ技術誌(正)の間違いかも知れません。
不確かですみません。ご容赦お願いします。
by yappy_n (2014-02-02 22:14) 

yappy_n

IEC-60958:SPDIFデジタルインターフェース出力を付けるか、501ESの基板からDATAとbit-クロックとLRワードクロックを取り出す事さえできれば(各信号のグランドと信号をペア撚り線で取り出すことさえできれば、
IEC-60958:SPDIFデジタルインターフェース出力に変換するICを使ってPC等に接続可能です。
PCには汎用のサンプリングレートコンバータLSIを介して記録機器のクロックタイミングに変換同期できます。
そうすれば、リニアなデジタル信号でブルーレイやDVDに記録できると思います。
PC用の汎用のサンプリングレートコンバータLSI搭載IEC-60958:SPDIFデジタルインターフェースボードさえあれば解決するのですが。探して頂けますか。
by yappy_n (2014-02-02 22:36) 

Lancelot

安田様貴重なご意見ありがとうございました。
奥様は残念でした。私も12年前に娘(1歳4ヶ月)が先天性心疾患(Ebstein anomaly)で短い生涯を閉じました。
肉親を亡くすのは本当に悲しいことです。私も医療に携わる者としてその時の判断、処置が最善だったのかいまだに悩んでいます。
謹んでお悔やみ申し上げます。
話は変わりますが、ソニーの技術の方から投稿を頂き大変感動しています。私はソニーが好きな1ユーザーではありますが昔からソニーが持っている先進性と高いクオリティをこよなく愛しています。当時PCM-501を買ってもらいベータ機のSL-HF705と接続して初めてデジタル録音した時の感動は今でも覚えています。若い人がミュージックプレーヤーで聞くMP3のような圧縮率を追求した音と比べるとその差は歴然としています。(最近はLossless 192kHz/24bitの音源を聞きますが安いD/Aコンバーターでは素人の私の耳では44.1kHz/16bitは違いを見分けることが残念ながらできません。) おっしゃるようにSPDIFデジタルインターフェースボードがあればβに記録してある当時の音をPCにコンバートできるのですが私の器量でできるか検討中です。
ソニーは他社にできない音を奏でることと絵を写すことで私たちユーザーの心をときめかせてくれました。現在のようにユーザーの持つニーズの多様化によりすべても満たすことはできませんがソニーにかできないものを今後も是非作っていって頂きたいと思います。とりどめのない文書となってしまいましたがソニーの復活を信じている1ユーザーの気持ちです。
by Lancelot (2014-02-03 20:36) 

柏村 正身

pcm-501esを売却したいのですが、今、いくらぐらいで売れますか?よかったら教えてください。よろしくお願いします。
by 柏村 正身 (2015-02-22 11:58) 

Lancelot

柏村さん。
こんにちは。私も専門家ではないのでPCM-501ESの売却の相場はそれほど詳しくはありません。通常は本体の程度やマニュアル等が揃っていれば高値で売却できると思いますが、PCMプロセッサー自体は今となっては非常にマニアックで需要があるかというと難しいと思います。
これがオプティカル出力付きのPCM-553ESだと希少でかなり高額で取引されています。501や701は553ESと違って市場での数が多く、ニーズを考慮すると3,000~10,000円位かと思います。
by Lancelot (2015-02-22 18:58) 

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